私が育休を取ろうと思った気かっけ:第一話 通勤中の事故で気づいた「家族の時間の重み」

「あの日、もし妻と子どもを乗せていたら――」
それが、私が**「育休を取ろう」**と決めた最初のきっかけでした。
■ いつも通りの朝が、いつも通りじゃなかった日
当時、私は車で片道1時間半の距離を通勤していました。
長い通勤時間にもすっかり慣れ、仕事もやりがいがあり、日々が充実していた――そう思っていました。
しかし、ある朝の出来事がすべてを変えました。
渋滞の中、右折しようとした瞬間――
トラックの陰から直進車が飛び出してきて、避ける間もなく衝突。
幸いにも怪我人はいませんでしたが、私の車は全損。
そのとき、背中に冷たい汗が流れました。
「もし、妻や子どもを乗せていたら……?」
そう考えた瞬間、胸の奥がぞっとしました。
■ 仕事が楽しくても、守れないものがある
その夜、ベッドに横になりながら考えました。
どれだけ仕事が楽しくても、一度の事故で全てが変わる。
「自分は本当に、家族を大事にできているのか?」
そう自問したのは初めてでした。
当時、妻は妊娠6ヶ月。
出産前の今この瞬間、一緒に過ごす時間もかけがえのないものだと気づきました。
仕事を優先することが当たり前だった自分。
でも、「家族との時間はあとで取ればいい」なんて、もう通用しない。
この出来事をきっかけに、
「育休を取って、家族と過ごす時間を自分の意思で作ろう」
そう決意しました。
■ 当たり前の日常が、いちばんの幸せ
それから、生活を少しずつ見直すようになりました。
当たり前のように妻が作ってくれる料理、
当たり前のように元気でいる両親、
当たり前のように訪れる日常――
このタイミングで気づけて本当によかった。
もしあの事故がなければ、今も変わらない生活を送っていたと思います。
事故はないに越したことはありません。
でも、そこから何を学ぶか――それが大切だと今は思います。
■ まとめ:当たり前の日常は、当たり前じゃない
あの日から、私の中で“当たり前”が少しずつ変わりました。
朝一緒にご飯を食べること。
妻と何気なく会話すること。
そんな小さな時間こそが、**いちばん大切な「家族の時間」**だと気づいたのです。
次回は、**仕事の現場で出会った患者さんから学んだ「父親としての在り方」**についてお話しします。