プロフィール
2009年に理学療法士免許を取得して、急性期大学病院で17年間、理学療法士として働いています。
脳卒中・脊髄損傷・がんリハ・呼吸リハと幅広い領域を経験させてもらいました。働きながら大学院にも通い修士を取得しました。また、認定理学療法士(脊髄障害・臨床教育)の資格を持ちながら、日々の臨床に向き合っています。
一見、順調なキャリアに見えるかもしれません。でも、正直に言うと、何度も「このままでいいのか」と悩み続けてきた17年でした。
私が経験してきた多くの「壁」と、その先にあったもの
学生時代:コミュニケーション下手で、伝えたいことが伝わらない
特に臨床実習では、コミュニケーションの取り方が非常に難しかった。学校や日常生活では、自分の意見をある程度汲み取ってくれる人がいた環境から、自分の考えた意見を論理的に伝えなくてはいけない環境に困惑しました。現代風に言えば、言語化が下手。
消極的な学生と思われたと思います。一方、その経験は学生の指導や後輩の指導に生き、入職後の先輩や患者さんとのコミュニケーションをとる重要性に気づくことができました。
1年目:「見て学べ」という洗礼
職場は全体として非常に優しい雰囲気でしたが、指導者によって異なります。私を最初に担当した先輩のスタイルは「教えてもらうではなく、自分で考えて、見て学んで」というものでした。
理学療法士免許はあるものの、何がわかって何がわからないのか、果たして患者さんにやってもいいのか——「これでいいのか?」と思いながら毎日を過ごしていました。家に帰ってからも悩んでなかなか寝付けない日が続いたことを覚えています。
しかし、この経験が現在に生きています。自分が感じたしんどさを後輩には感じさせたくないと思い、それが認定理学療法士(臨床教育)を取得するまでに至った原点とも言えます。
5年目:停滞感と「大学院なんて意味がない」という声
ある程度1人で患者さんを担当できるようになってきた5年目。と同時に、成長している実感がなくなってきました。
臨床疑問は増えるのに、文献を読んでも何が正しいのかわからない。学会発表のために抄録を書いたとき、上司にほぼ全て直されて、自分は文章が書けていなかったと痛感しました。
大学院への進学を考え始めましたが、先輩には「給料も上がらないし、臨床力も上がらないから、意味ないよ」と言われました。一度は諦めかけましたが、背中を押してくれたのは大学院を卒業した先輩でした。
「行くことで必ず得られるものはある」
その言葉で進学を決めました。大学院では特に、自身の考えを論理的に伝える練習を反復して行ったことで、なんとなくやっていた臨床も考え方が変わり、根拠を持って取り組むようになりました。
9年目:言語化できない自分に気づき、異動を決断
後輩から「リスク管理はどうすればいいですか?」と聞かれたとき、咄嗟に出た言葉は「無理せずやってきて」でした。
17年のキャリアを持つ今の私なら絶対に言わない言葉です。でもその時の自分には、経験や知識を言語化する力がなかった。学校の同期と久しぶりに集まったとき、自分の知らない言葉が飛び交っているのを聞いて、「井の中の蛙になっているかもしれない」と感じました。
そこで転職ではなく、系列病院への「異動」を選びました。異動先では最初の半年、まったく通用しませんでした。でも1年目のつもりで質問しまくって、ようやく自分の強みが見えてきた。「へこたれずに吸収しにいくこと」が、自分の持ち味だと気づきました。
そして、育休を2回取得しました
1度目は男性の育休が前例としてないタイミングであったため、上司とこまめに相談をしながら、どうすれば迷惑をかけずに取れるのかを考えました。今後取得する人のためにも前例をしっかりと作らないといけないと思い行動しました。
1人目は3ヶ月、2人目は9ヶ月取得しました。
育休中に確信したことがあります。仕事を頑張ることと、家族といる時間を大切にすることは、どちらかを諦めなくていい。むしろ両方あるから、自分は仕事でも力を発揮できると今は思っています。
数字で見る岩さん
| 🏥 臨床経験 | 17年(急性期大学病院) |
| 🎓 学歴 | 大学院修士号取得(働きながら) |
| 📋 資格 | 認定理学療法士(脊髄障害・臨床教育) |
| 👶 育休 | 2回取得(1人目3ヶ月・2人目9ヶ月) |
| 👨👩👧👦 家族 | 妻・子ども2人 |
| 🩺 専門 | 脳卒中・脊髄損傷・がんリハ・呼吸リハ |
このブログで伝えたいこと
仕事も、家族も、自分の成長も、前例や慣習にとらわれず、全部諦めなくていい。
私の17年は、何かを諦めた歴史ではなく、何度も悩みながらも前に進んできた歴史です。自分がやりたいことに正直になることで、人がやっていないことをやってきた自信があります。
同じように悩んでいる理学療法士の方に、「自分だけじゃなかった」と感じてもらいたくてこのブログを書いています。
- PTの5年目前後に感じる壁とキャリアの作り方
- 働きながら大学院・認定資格に挑戦した経験
- 男性PTが育休を2回取った話
- 急性期病院での異動・転職の考え方
- 育児とリハビリ職の両立
論文や学術発表で培った「文章で伝える力」と、17年の臨床で積み上げてきた「現場の一次情報」を合わせて、誰かの役に立てる記事を書いていきます。
掲載内容は個人の経験・見解に基づくものです。医療的な判断は担当医・PTにご相談ください。