理学療法士がブログを書き始めた理由――収益ゼロ・妻にこそこそ・それでも続けるアラフォーPTの話
最初に正直に言っておきます。このブログからの収益は、今のところゼロです。
副業として成功した話でも、月〇万円稼いだ話でもありません。大学病院で17年働いてきた理学療法士が、なぜブログを書き始めたのか、実際どうだったのか、それだけを書きます。
同じように「何か始めてみたいけど踏み出せていない」PTに、少しでも届けばと思っています。
収入の選択肢について考えるようになったきっかけ
若い頃は、PTの給与一本で生計を立てることに疑問を持ちませんでした。それで十分だと思っていたし、先のことをそこまで考えていなかった。
それが変わったのは、年齢を重ね、子供が生まれ、住宅ローンを組んだタイミングです。PTの給与は頭打ちになりやすい。それは肌でわかっていました。万が一働けなくなったとき、収入の柱が一本しかない状態への漠然とした不安が生まれてきました。
選択肢が多い方がいい、とシンプルに思いました。転職を検討したのと同じように、「今の自分にできることを広げておきたい」という気持ちでした。
もう一つは純粋な好奇心です。新しいスキルを積みたい、知らない世界に飛び込んでみたい。大学院進学や認定資格取得に挑戦してきたのと同じ感覚でした。
PTにはすでに「情報発信の素地」がある
ブログを始める前から、本業以外で何かを発信・提供した経験は実はありました。
大学の非常勤講師として授業を担当したこと、学会運営の手伝いをしたこと、論文執筆の流れで雑誌への寄稿依頼をいただいたこと——いずれも「自分の知識や経験を外に出す」という点では共通しています。
ただ、これらには共通の特徴がありました。やったらそこで終わり、ということです。授業をすれば完結、学会手伝いも当日で終わり、雑誌寄稿は締め切りがあって書いたら消えていく。労力に対して残るものが少ない。
それぞれに意味はありましたが、蓄積されていく感覚がありませんでした。
ブログを選んだ理由――「私が寝ていても残り続ける」
ブログに惹かれた理由は明確でした。
ストック型であること。書いた記事は残り続けます。1年後、5年後、価値のある内容であれば読まれ続ける。非常勤講師や雑誌寄稿と根本的に違うのはここです。私が寝ていても、記事はそこにあり続けます。
時間の自由度が高いこと。本業がある中で何かをやるなら、時間を縛られないことは重要です。締め切りがある雑誌投稿と違い、ブログは空いた時間に少しずつ作業できます。深夜でも、休日でも、育休中でも。
文章力を上げられること。大学院で論文を書く経験を通じて、文章を書くことの難しさと奥深さを実感していました。ブログを続けることで、そのスキルをさらに磨けると思いました。初期費用も少なく、始めやすかったことも後押しになりました。
始めてから2ヶ月で止まった
「絶対続ける」と意気込んでWordPressを3年契約したのが昨年9月。でも、2ヶ月で更新が止まりました。
何をどう書けばいいかわからなかったからです。最初は完全に日記でした。「今日こんなことがあった」「最近こんなことを考えている」——読み返して、こんなの誰が読むんだと自己嫌悪に陥りました。
そして検索されない。アクセスがゼロに近い状態が続くと、続けるのはしんどい。ブログは3ヶ月以内にやめる人が多いと言われますが、自分もその一人になりかけました。
再開できたのは育休がきっかけです。時間ができて、改めてブログと向き合えた。何を書くべきか、誰に届けたいのかを考え直して、今に至ります。
妻にはこそこそやっている
少し複雑な話をすると、妻にはまだちゃんと説明できていません。
夜にパソコンをカタカタやっていたら「何してるの?」と聞かれて、「ブログ書いてる」と答えたら「大丈夫?変なことしないでよ」と言われました。ブログや情報発信への理解がないと、そういう反応になるのは仕方ない部分もあります。今は夜にこそこそやっています。
何か新しいことを始めるなら、家族の理解を早めに得ておいた方がいい。これは実感として言えます。
収益ゼロでも続けている理由
現時点で、このブログからの収益はゼロです。それでも続けているのには理由があります。
文章を書く癖がついてきたと実感しています。最初と今では、書く速さも質も変わっています。誰に届けたいか、どう伝えれば伝わるか——これを考える習慣は、日常の臨床にも通じるものがあります。患者さんへの説明、後輩への指導、家族への情報提供。言語化する力は、PTとしての仕事にも直結します。
自分自身を振り返る場にもなっています。17年のキャリアを記事として書く作業は、自分の経験を整理することでもありました。「このままでいいのか」と感じてきた経緯を書くことで、自分のキャリアを客観的に見られるようになった気がします。
そして、将来的に収益につながるかどうか——そこは諦めていません。諦めたら負けた感じがするので。
情報発信を考えているPTへ
積極的におすすめとは言いません。ただ、やってみる価値はあると思っています。
特に以下のような人には向いていると感じます。
- 自分の経験を誰かの役に立てたいと思っている
- 文章を書くことに苦手意識がない、あるいは克服したい
- 隙間時間で作業できる環境がある
- すぐに結果が出なくても続けられる
逆に、すぐに結果を求める人には向きません。ブログは数ヶ月〜1年以上かかることがほとんどです。即効性を求めるなら非常勤講師や学会手伝いの方が現実的です。
転職を考えることと似ていて、動いてみて初めてわかることがあります。やってみないとわからない、というのが正直なところです。
まとめ
ブログを始めたのは、選択肢を広げたかったからです。PTの経験を言語化して残していくことに意味があると思い、ストック型で時間の自由度が高いブログを選びました。
実際には2ヶ月で止まり、育休で再開し、収益はまだゼロです。それでも、文章力が上がったこと、自分のキャリアを整理できたこと、臨床にも通じる言語化のスキルが身についてきたことは確かな収穫でした。
向いているかどうかはやってみないとわかりません。ただ、挑戦すること自体に意味はあると感じています。諦めたら負けた気がするので、私はまだ続けます。
