大学病院PTの給与・年収のリアル|17年目が手取り・昇給まで全部話す
「理学療法士って、実際どのぐらい稼げるの?」
就職前にそう思っていたし、後輩からもよく聞かれる質問です。でも、リアルな数字って意外と出てこない。求人票の「月給○○万円〜」は基本給で、手取りは実際にはもっと少ないし、昇給も「あります」とは書いてあるけど、実際どのぐらい上がるのか、誰も教えてくれなかったりする。
今回は、大学病院に17年勤めている理学療法士が、自分の給与のリアルを書いておきます。新人の頃から現在まで、手取りの推移・昇給額・管理職手当・家賃補助まで。これを読めば、大学病院PTの経済的リアルがわかるはずです。
新人の頃から現在まで――給与の推移
私が大学病院に就職したのは22歳でした。当時の手取りは20万にいくか、いかないかぐらいでした。
「理学療法士になれた」という達成感はあったし、若いうちは修行だと思って大学病院を希望したので、当時はそれほど給与に不満はありませんでした。
昇給は毎年ありました。ただし、上がり幅は年に数千円程度。月給ペースで言うと、ほとんど変わらない程度でした。
17年経った今、手取りは30万円台に上がっていますが、これは子育て手当などの各種手当が加わっているからです。純粋な基本給の伸びだけ見ると、正直なところそれほど大きくありません。「17年働いて正直これか」と感じる瞬間は、あります。
管理職になって、給与は上がったのか
私は現在、主任という管理職のポジションにあります。
「管理職になれば給与が跳ね上がる」と思っている人もいるかもしれませんが、現実は少し違いました。管理職手当はつきます。ただし、金額は数千円程度で、飲み会に1回行けるかどうか。業務量・責任が増えることを考えると、「わりに合うか」と言われると正直複雑な気持ちになります。
ちなみに、大学病院の系列病院も給与体系は基本的に同じでした。「系列の違う病院に移ったら給与が上がる」という話を聞くことはありますが、同じ法人内で動いても大幅な変化は期待しにくいのが実情です。
残業ほぼなし――でも、それが「当たり前」になっていた
給与の話でよく出てくるのが「残業代」ですが、私は残業についてはほぼしていません。これはワークライフバランスをとる上では恵まれている部分です。育休も取れましたし、子供の急な体調不良でも休みを取りやすい環境でした。
ただ、残業がないということは残業代もないということ。「残業込みで稼ぐ」という選択肢がそもそもありません。一方、月に20時間程度残業しているスタッフがいるのも事実で、残業代だけで年収は大きく変わることは知っておいてもいいかもしれません。
家賃補助はあります。一人暮らしをしていた頃には非常に助かりました。低い家賃のところに住めば半額程度は補助してくれる仕組みでしたが、新築を建てると家賃補助はなくなります。福利厚生の恩恵は、使い方次第で大きく変わります。
もっと稼ぎたいと本気で思ったきっかけ
給与の話をここまでしてきましたが、私が「このままじゃまずい」と本気で感じた出来事がありました。
妻の就労状況が変化し、「世帯収入が自分の本業だけになる可能性」を初めてリアルに考えました。今までは「ふたりで稼いでいるから大丈夫」という感覚がありました。しかし、子供が産まれたことで、産休・育休・時短とフルタイム時に比べて妻の給与は大幅に下がりました。子供を育てていく上で時短は必要だと思う反面、世帯収入の減少は地味に効いてきます。
時短が終わるタイミング、小学校に上がるタイミングで、このまま妻が働き続けられるかどうかも不透明です。もし私だけが働くことになった場合、今の年収で家族を養えるのか。それが「もっと稼がないと」と思ったきっかけです。
その後――転職市場での自分の価値を確かめた
転職を決めたわけではありませんでした。ただ、「外から見たら自分はいくらなのか」を知りたくなりました。
そこで、理学療法士向けの転職サービスを3つ使ってみました。PTOTSTワーカー・レバウェル・ジョブソエルの3つです。
担当者から言われたのは、「今の年収はかなり高い水準です」ということでした。転職するとむしろ一時的に年収が下がる可能性が高い、というのも初めて知った現実です。「安い」と思っていた自分の給与が、外から見れば決して低くなかった。それは意外な気づきでした。
3つのサービスを使い比べた話は、こちらの比較記事にまとめています。
まとめ――大学病院PTの給与は安定しているが増えにくい
- 手取りは新人時代20万円台、現在(手当込み)30万円台
- 昇給は年数千円程度。管理職手当も数千円
- 残業はほぼなし。ワークライフバランスは良好
- 家賃補助あり。福利厚生は使い方次第で大きく変わる
大学病院理学療法士の給与は、「安定しているが、劇的には増えない」というのが正確なところです。専門職としての誇りややりがいはあります。でも、給与面での閉塞感も確かにある。
「自分の年収が市場でどう評価されるのか」を知らないまま働き続けるより、一度外を確かめてみる価値はあると感じています。転職するかどうかは、その後に決めればいい話です。
転職を迷いながらも「このままでいいのか」と感じている話はこちらの記事にまとめています。
