PT×育児

子供が生まれてから、職場の見え方が変わった――PTが定時で帰るようにした話と、子供前にやっておいてよかったこと

yutorizeropapa
この記事でわかること
  • 結婚では変わらず、妻の妊娠で変わった――仕事への向き合い方が変化したきっかけ
  • 定時で帰るために変えた2つの仕事の仕組み
  • 子供が生まれてから変わった「職場の見え方」と主任として動いたこと
  • 子供が生まれる前にやっておいてよかった自己研鑽の話

いつか子供が欲しいと思っているけど、仕事との両立ができるか不安——そう感じているPTは少なくないと思います。

私もそうでした。結婚してからも、仕事への熱量は何も変わりませんでした。残業も、資格勉強も、学会発表の準備も。「家庭ができたから」という理由で抑えようとは思わなかった。

それが変わったのは、子供が生まれてからではありません。妻が妊娠した、その頃からです。そして子供が生まれてから、職場の見え方が根本から変わりました。

同じ経験をしている人に届けばいいな、と思いながら書きます。

妻の妊娠中から、定時を意識し始めた

妊娠3〜4ヶ月頃、妻の体調がすぐれない時期がありました。

つわりで動けない日もある。夕食の準備も難しい。「早く帰って家事をしないと」という感覚が、このあたりから出てきました。それまで残業することに特に罪悪感はなかったのですが、はじめて「今日も帰れなかった」と感じるようになりました。

家に帰る理由ができた、という方が正確かもしれません。

岩さん
岩さん

妻が妊娠するまで、正直「早く帰らないと」という発想がありませんでした。仕事が終わらなければ残るのが当たり前だと思っていたので、自分でも少し驚きました。

定時で帰るために、仕事のやり方を変えた

ただ「帰りたい」と思うだけでは帰れません。業務の組み立て方を変える必要がありました。

定時で帰るためにやった2つのこと
  • ①始業前にカルテ情報収集・昼休みにカルテ記載を前倒しする
  • ②後輩からの相談を業務終了後ではなく業務時間内に切り替える

①は、退勤後にすぐ帰れるよう時間を前にずらすイメージです。厳密には時間外にあたる部分もありますが、業務終了後に残らないための現実的な工夫でした。

②は、それまで業務終了後に「ちょっといいですか」と声をかけられることが多く、それが退勤を遅らせる一因になっていました。「相談は業務中に」と伝えて習慣を変えました。

振り返ると、むしろこちらの方が健全だったと思います。業務中に相談が完結する方が、後輩にとっても情報が新鮮なうちに動けるし、私にとっても患者さんの状況を確認しながら話せます。帰りたいという動機から始まりましたが、仕事の質としても良い変化でした。

子供が生まれて、職場の見え方が変わった

子育てが大変だということは、頭ではわかっていました。

でも実際に経験すると、「わかっていた」のレベルが全然違いました。

子供が急に体調を崩す。保育園から日中に呼び出しの連絡が来る。休みの調整をしなければならない。独身の頃は自分のことだけ考えていればよかった。でも今は、「今日の午後、もし電話が来たら」という前提で仕事をしています。精神的な負担の質が、根本的に違います。

岩さん
岩さん

「あの人は急に休む」という見方が、「あれだけの状況でよく来ている」という見方に変わりました。体験する前と後で、同じ人の同じ行動がこんなにも違って見えるとは思っていませんでした。

そこで気づいたのは、職場で育児をしながら働いている人たちへの見方が変わったということです。尊敬という言葉が自然に出てくるようになりました。

主任として、仕組みを変えた

この気づきは、主任としての動き方にも影響しました。

それまでの職場は、一人のセラピストが自分の担当患者を一人で把握するスタイルでした。急な休みが出たとき、他のスタッフが対応しようにも情報が頭の中にしかない。休む本人も申し訳なさを感じながら連絡してくる。そういう構造になっていました。

これを、3人のグループで患者情報を共有するシステムに変えました。伝達する手間は増えます。ただ、急な休みのときに「一言二言の申し送りで動ける」状態を作ることができれば、休む側の心理的なハードルが下がります。

仕組みを変えて出た効果
  • 「以前より休みやすくなった」という声がスタッフから出た
  • 情報を言語化する習慣がつき、後輩の思考整理にもなった
  • 「相談しやすくなった」という声も増えた

子供が生まれて体験したことが、職場の課題として見えるようになり、動くきっかけになりました。

子供が生まれる前にやっておいてよかったこと

もう一つ、子供が生まれてから強く感じたことがあります。

大学院、認定理学療法士、各種資格、学会発表。これらを子供が生まれる前にやっておいてよかった、ということです。

時間も、お金も、子供が生まれると明らかに制約が増えます。子供が生まれてからでもできないわけではありませんが、腰を据えて取り組む環境としては、やはり前の方が整っていました。

岩さん
岩さん

無駄に見えた時間が、今になって効いている。大学院で書き続けた文書が他職種連携に生き、失敗しながら積み上げた学会発表の経験が、今の短時間での抄録作成につながっています。

そして今感じるのは、あのときの積み重ねが「今の短時間での動き方」を支えているということです。他職種と連携するときの文書作成は、大学院で論文を書き続けた経験が生きています。後輩への指導で論理的に伝えられるのも、研究や発表を繰り返す中で培ったものです。学会発表の抄録を限られた時間でまとめられるのも、過去に何度も失敗しながら書いてきたからだと思っています。

いつかやろうと思っていたことは、子供が生まれる前にやれるならやっておいた方がいい。これは経験からの本音です。

まとめ

まとめ
  • 結婚では仕事への熱量は変わらなかった。変えたのは妻の妊娠と、子供が生まれてからの体験
  • 定時で帰るには「気持ち」ではなく「仕組み」が必要。前倒しと相談の時間管理で解決した
  • 子育ての大変さは体験して初めてわかる。職場の見え方が変わり、主任として動き方も変わった
  • 大学院・認定資格・学会発表は子供前にやっておいてよかった。蓄積が今の短時間での実践力になっている

いつか子供が欲しいと思っているPTに、一番伝えたいのはこういうことです。仕事との両立は確かに大変になります。でも、今やっている自己研鑽は必ず後から効いてきます。そして子供が生まれてから見える景色は、想像よりずっと豊かなものでした。

ABOUT ME
岩さん
岩さん
大学病院17年・2児パパの現役PT
大学病院で17年働く現役PT。修士・認定PT取得、育休2回取得の2児パパ。 転職はしていないけど、「このままでいいのか」とずっと考えている。転職サービスで外の市場を調べ、自分の立ち位置を把握した上で今の職場にいる。キャリア・転職・育児・お金について、答えじゃなくてリアルを書いています。
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