「育休取って何するの?」と言われた話――職場で男性育休ゼロの中で3ヶ月取ることを決めた理由
上司に育休を申し出たとき、こう言われました。
「育休取って、何するの?働いていた方が家庭にとってもいいんじゃない?」
権利だから取っていい、という言葉も添えられていましたが、本音はそっちだったんだと思います。正直、気持ちは揺らぎました。職場で男性育休の取得者はゼロ。相談できる先輩もいない。上司にそう言われれば、迷うのは当然でした。
それでも、取りました。この記事は、誰もいない中で育休を取ることを決めた話です。
「育休取って何するの?」と言われた
2023年1月、第一子が生まれました。育休取得を上司に相談したのは、その少し前のことです。
当時の職場では、男性で育休を取った人間はゼロでした。制度はある。でも、誰もやっていない。「取れる空気」ではなかった、というのが正直なところです。
上司の反応は、お世辞にもいいものではありませんでした。「権利だから取っていい」。その言葉自体は正しい。でも続いた「育休取って何するの?働いていた方が家庭にとってもいいんじゃない?」という言葉が、頭に残りました。
今まで女性が主体で育児をしてきた世代の人から見れば、そういう発言が出るのはわかります。でも、揺らいだのは事実でした。
背中を押してくれたのは、現場の女性たちだった
揺らいだ気持ちを立て直してくれたのは、職場の女性陣でした。「絶対取った方がいい」「取ってほしかった、という人は多い」。実際に産後を経験した人たちの声は、上司の一言とは全然違う重さがありました。
現場の声を聞くのが一番だと思いました。制度の話でも建前の話でもなく、実際に育児をやった人が「取ってほしかった」と言っている。それが、背中を押す最後の一押しになりました。
同僚や後輩も、いい雰囲気で応援してくれました。この雰囲気がなかったら、取得できていなかったかもしれません。
決断できたのは、「自分で決めてきた」という積み重ねがあったから
振り返ると、今まで周囲に配慮しながら流れに乗るより、自分で決めてそれに向かって動くことを続けてきました。大学院に行く、系列病院への異動を選ぶ。どれも、誰かに言われたからではなく、自分で判断した選択でした。
育休も同じでした。上司に何を言われようと、自分がやると決めたことをやる。その積み重ねが、今回の決断を支えていたと思います。
もうひとつ、背中を押した理由があります。誰かが動かなければ、ずっと同じ状況が続く、という感覚です。職場で誰も取っていないなら、自分がやるしかない。そういう責任感が、正直ありました。
取った結果、後輩が続いた
育休から戻った後、変化がありました。後輩から育休取得の相談が来るようになったんです。
職場であれだけ言われながら取得した人間が目の前にいる。それだけで、「自分も取れるかもしれない」と思える人が出てくる。今では後輩も積極的に育休を取るようになりました。
これは、育休を取ったことで得た中で、一番よかったことかもしれません。自分一人の話が、職場の空気を少し変えた。そう思えています。
これができたのは、職場にガチガチのルールではなく、時代に合わせて柔軟に動ける風土があったからだとも感じています。制度だけでなく、風土があって初めて育休は取れる。それも実感として学んだことです。
取ってよかったと思った瞬間
育休に入って最初に「取ってよかった」と思ったのは、妻のそばにいられたことでした。
男性は、女性と比べてできることが少ない。それはわかっていました。でも、「やれることは全部やる」という気持ちで向き合いました。抱っこ、ミルク、おむつ、家事。戦力になれているかどうかは自信がなかったけど、そこにいること自体が意味を持つと感じました。
職場であれだけ言って取った育休だから、怠けてはいられない、という気持ちもありました。その緊張感が、育休を充実させた一因だったかもしれません。
育休取得を迷っているパパに、この記事が届けばと思います。「取って何するの?」と言われても、取った人間がここにいます。
育休を切り出す前の準備・根回しの話はこちらの記事に詳しく書いています。育休期間の決め方についてはこちら。
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